住宅機器販売部

温水暖房温水暖房システムにおける「dt(ディーティー)」、「Δt(デルタT)」の重要性

温水暖房システムに最高のパフォーマンスを発揮させるためには、熱源(ボイラーなど)と温水パネルヒーター、床暖房などの暖房機器(放熱する機器)、それぞれの役割の機器がバランス良く設計されていることが必要です。 これら熱源と放熱する機器に効率よく熱をやりとりさせるには、適切な温度と速度で温水を供給しなければなりません。そのためには、正確な計算が必要であり、ここで言う「dt(ディーティー)」と「Δt(デルタT)」がとても重要な役割を果たします。

「温度差dt(ディーティー)とは?

一般的に「dt」、「Δt」とは、ある2点間の温度差を意味します。 温水パネルヒーターなどの暖房機器の場合、温水入口温度と温水出口温度の温度差つまり温水が暖房機器を通過する時に下がった温度幅を「温度差”dt”」と表します。 「温度差(dt)」の単位はケルビン[K]または摂氏[℃]で示され、その温度幅(目盛りの幅)はケルビンと摂氏では同じになるので、その差も同じになります。たとえば、 dt=10Kは dt=10℃と同じ温度差を意味します。

 

「熱媒(水や不凍液)の温度」について

「熱媒の温度」とは、熱源機器からシステム内への「往きの温水温度」「戻りの温水温度」「平均温度」を指します。 放熱量(Q)は、流量(G)、水の比熱(c)、温度差(dt)から次の式で計算できます。

Q = ( G × c × dt ) / 0.86

– Q: 放熱量[Watt]([J/s])

– G: 体積流量[L/h]

– c: 水の比熱 = 1[cal/(g・℃)]

– dt: 温水入口温度と温水出口温度の温度差[℃]

※ 1[kg]≒1[L]とす。

※ c=1[cal/(g・℃)]

※ 0.86: (熱量の)換算係数[cal・L/(h・g・Watt)]

この式からも放熱量(Q)は、システムの流量や温度をバランス良く設定することが重要だと分かります。

 

「温度差Δt(デルタ ティー」とは?

「温度差”Δt”」とは、「熱媒の平均温度」「室温」との「温度差」のことを指します。温水パネルヒーターから放出される熱量は、この温度差(Δt)と直接関係しています。この関係は一般的な熱交換器と同じで、ふく射暖房などでも使われる考え方です。

たとえば、室温が20℃、温水パネル内のお湯の平均温度が70℃[入口80℃、出口60℃]なら、温度差(Δt)は50℃(=70℃−20℃)となります。 詳しく計算する場合は対数平均などの温度差を使いますが、おおまかには次の式の算術平均(相加平均)との温差で表します。

Δt = (t 1+ t2) / 2 – tr

t1: 供給温度[℃]

– t2: 戻り温度[℃]

– tr: 室温[℃]

※このΔt=50℃は、現在ヨーロッパで広く使われている温水パネルヒーターやボイラーなどの試験規格です。

「温度差”Δt”」がなぜ重要なのか?                         

「温度差”Δt”」は、部屋に必要な暖房負荷と温水パネルの出力を決める上で必須の指標です。

そのため、温水パネルヒーターの選定や交換の際には、必ず適切な温度差(Δt)を基準にすべきです。

そうすることで、その部屋に合ったサイズの温水パネルを選ぶことができ、部屋が十分に暖まるとともに、余分な暖房でエネルギーを無駄にしたり、暖房が足りなくて寒かったりすることも防げます。

温水パネルヒーターの性能や価格を比較するときは、どの「温度差(Δt)」で表記されているかまで確認して、同じ条件で比べることを強くおすすめします。

※放熱量はΔt =50℃を基準にして表記されていますが、Δt =50℃以外の値での放熱量はΔt=50℃に示された基準放熱量に、換算率f[-]を乗じて算出します。温水温度と設定室温の条件が変化すればΔtも、換算率も変化しますので、放熱量もまた変化した条件下のΔtから求めた換算率f[-]にて算出しなければならないのです。

 

Δt =5について

すでに説明した通り、「Δt=50℃」は、欧州の温水パネルヒーターや暖房システムの試験規格です。しかし、Δt=50℃が実際の住宅環境でも最適とは限りません。というのも、建物の性能(新基準か古い基準か、断熱レベル、窓ガラスと窓そのものの性能など)や使用する熱源機器(ガスボイラーやヒートポンプなど)によって、最適となるシステム供給温度は変化するからです。たとえば、使用する熱源機器を変更してシステム供給温度が変わった場合は、必要な温水パネルヒーターのサイズも変わるので、再度の計算・見直しが必要になります。

一般的な目安として、熱源器から供給される熱媒の温度(出湯温度)が低いほど、同じ暖房効果を出すには、より大きな温水パネルヒーターが必要です。

ここまでの内容から、システム供給温度、流量、往き温水温度と還り温水温度との差(dt)・熱媒温度と室温の温度差(Δt)、温水パネル自体の性能とが密接に関係していることが分かるでしょう。システム内での流量や温度を変更した場合は、温水パネルヒーターも合わせて見直すことが重要です。

 

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