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温水暖房の配管方式について

温水暖房システムは、建物全体にムラなく快適な暖かさを供給するため、多くの建築物で採用されています。そのなかで「配管方式」は、各部屋や空間への熱の伝わり方、施工コストなどに大きな影響を及ぼす重要な要素です。主な配管方式には「1管式」「2管式(ダイレクトリターン方式)」「リバースリターン方式」の3種類があり、それぞれに特徴や適した用途があります。たとえば、1管式は配管がシンプルでコストを抑えられる一方で、温度バランスが偏りやすいというデメリットもあります。2管式やリバースリターン方式は、バランスよく温度を供給できるといった利点があります。本コラムでは、それぞれの方式の特徴や選定のポイントについて解説します。

【1管式】

1本の配管で熱媒(水や不凍液)を順番に各放熱器へ送り、前の放熱器からの戻り水を次の放熱器へ供給する方式です。「単管式」とも呼ばれます。流量調整により一部の熱媒が放熱器をバイパスし、後続放熱器の温度低下をある程度緩和しますが、配管の下流になるほど放熱器に入る熱媒の温度が低くなります。そのため、下流側の放熱器は補正係数を考慮して能力を大きくする必要があります。配管材料が少なくて済むため、配管コストは他方式に比べて低いです。

【2管式(ダイレクトリターン方式)】

往き管と戻り管の2本を設け、各放熱器に同温度の温水を供給する方式です。熱源に近い放熱器と遠い放熱器では配管の長さが異なり、圧力損失(流体抵抗)にも差が生じます。そのため、放熱器ごとにバランスバルブなどで流量調整を行い、適正なバランスを確保します。配管材料やコストは1管式に比べてやや高くなります。

【リバースリターン方式】

往き管、戻り管それぞれ2本を設け、各放熱器への配管長をできるだけ均等にする方式です。理論上、すべての放熱器の配管総延長がほぼ同じになるため、放熱器が同一仕様であれば配管による圧力損失も等しくなります。ただし、放熱器の能力や流量に違いがある場合には、完全に圧力損失を同一にすることはできないため、バランス調整が必要です。リバースリターン方式は、一般に大規模な設備で用いられることが多く、配管部材やコストはダイレクトリターン方式より高くなります。

まとめ

1管式は配管コストや施工手間が少ない一方で、システムの均等な温度分布や調整が難しく、主に小規模な系統で利用される傾向があります。2管式やリバースリターン方式は、設備規模が大きくなるほど設計や施工の工夫が重要であり、バランス調整機器の設置が不可欠です。実際の運用では、システム全体の流量・圧力・熱負荷に合わせて最適な配管方式を選定する必要があります。

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