住宅機器販売部

超高層集合住宅向け排水システムの検証― 集合管とドルゴ通気弁の組み合わせによる排水性能評価 ―

はじめに

近年、超高層マンション(一般的に高さ60m以上、20階建て以上のタワーマンション)では、30~40階建て規模の物件が増加しています。
超高層集合住宅では、高低差が大きいため、排水時に発生する急激な管内圧力変動を抑制する必要があります。そのため、特殊継手を用いた集合管システムの採用が不可欠です。
この集合管システムでは、伸頂通気管の先端部にベントキャップを設置する施工方法が一般的です。一方で、近年は設備計画において、より高い信頼性に加え、省スペース化や設計自由度の向上、施工性の改善が求められています。
弊社ではベントキャップを省略することで設計自由度の向上や施工コストの低減が可能なドルゴ通気弁との組み合わせを提案しています。

 

実験概要

44階建ての都内某物件において、ドルゴ通気弁と集合管を組み合わせた排水システムの採用を検討するため、排水実験を実施しました。
15階規模の排水タワーに連続排水10.0L/sを流して実験を行いました。
※実験方法はSHASE-S218に準じた方法で実施

・判定方法(SHASE-S218に準ずる)

  1. 配水時の管内圧力の範囲は±400Pa以内であること
  2. 配水時の試験用トラップにおいて封水損失が25㎜以下であること

※40階規模の排水能力の決定は、15階での実測値を基に、高層化による低減率をかけて高層階(最大60階)の排水能力を算出し、40階規模での能力(8.5L/s)としている。

1)排水実験装置

– 立て管規模:15階規模
– 横主管:φ150×3m+φ200×5m(勾配1/100)
– 使用部材:ベントキャップ(100A)または、ドルゴ通気弁JDE-100

2)実験項目

実験

番号

排水

システム

排水負荷条件 排水負荷 備考
15階 14階 13階 12階
B-1 ベントキャップ+集合管 定流量10L/S 2.5L/S 2.5L/S 2.5L/S 2.5L/S 管内圧力±400Pa以内であることを確認
B-2
D-1 ドルゴ通気弁+集合管
D-2
B-3 ベントキャップ+集合管 洗濯2台

同時排水

洗濯2台 ― ― ― ―
B-4
D-3 ドルゴ通気弁+集合管
D-4

 

実験結果

排水負荷条件 排水負荷 システム最小・最大圧力 通気

流量(㎡/h)

必要

通気量(㎡/h)

合否
15階 14階 13階 12階 最小(Pa) 発生階 最大(Pa) 発生階
定流量10L/S 2.5L/S 2.5L/S 2.5L/S 2.5L/S -353 6階 79 1階 72.00 79.20 OK
-389 8階 69 1階 75.60 83.16 OK
-380 3階 59 1階 79.20 87.12 OK
-374 7階 56 1階 82.80 91.08 OK

 

排水負荷条件 排水負荷 システム最小・最大圧力 通気

流量(㎡/h)

必要

通気量(㎡/h)

合否
15階 14階 13階 12階 最小(Pa) 発生階 最大(Pa) 発生階
洗濯2台同時排水 洗濯2台 ― ― ― -63 8階 145 1階 82.80 91.08 OK
-54 5階 162 1階 86.40 95.04 OK
-69 14階 202 3階 75.60 83.16 OK
-75 14階 193 1階 75.60 83.16 OK

 

排水実験管内圧力比較グラフ

まとめ

集合管を用いた15階規模の排水システムにおいて、清水による10.0L/sの排水負荷を与え、伸頂通気管頂部にドルゴ通気弁を設置した場合、ベントキャップを設置した場合と同等の排水性能を有することを確認しました。
また、同システムにおいて洗濯排水(2台分)の負荷を与えた場合においても、ドルゴ通気弁を設置した条件では、管内圧力が±400Pa以内に収まり、さらにトラップ封水損失が25mm以下であることを確認しました。
以上より、ドルゴ通気弁は、集合管システムにおいてベントキャップと同等の排水性能を有する構成として適用可能性があることが確認されました。

 

<法規制と認定履歴>

ドルゴ通気弁は、改正前の建築基準法第38条の制度の設定商品として販売が開始されました。1990年に建築基準法第38条に基づき、建設省東住指発第490号の認定を取得。これにより、ドルゴ通気弁は外気開放通気方式の開口部と同等の通気性能を有するとして旧建設大臣より認定されました。現在は、建築基準法改正後、多くのメーカーが自己責任で通気弁を販売しています。

 

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