住宅機器販売部

ドルゴ通気弁の設置基準(適用システム)について

建築の実務において排水設備の安定した運用と衛生環境の維持は欠かせません。通気弁は、排水管に空気を取り込むことで、排水不良や異音、悪臭の逆流を防ぐ重要な役割を果たしています。本コラムでは、国内で広く採用されているドルゴ通気弁の設置基準や適用システム、設置時の注意点、使用できない事例まで詳しく解説します。適切な通気弁の選定・設置がトラブル防止や快適な建築空間づくりにつながりますので、設計や施工計画・監理の際にぜひご活用ください。

 

1.ドルゴ通気弁の設置基準

ドルゴ通気弁は、原則として一つの排水横管に接続される衛生器具が5台程度(注1)の排水システムに使用され、次のような場所に設置することができます。

1.排水立て管上部の伸頂通気管頂部や最下階単独系統。(図1(1))

2.排水横枝管のループ通気管頂部および各個通気管の頂部。(図1(2)に一例あり)

3.下層階の正圧緩和のために「逃し通気管」を排水立て管底部から設けた排水システムで、伸頂通気管の頂部および排水横枝管のループ通気管や各個通気管の頂部。(図1(3)参照、注2)

(注1)器具数の基準
実験において、排水横枝管の負荷を連続排水3 L/sで実施し、異常がないことを確認しています。当排水量の相当器具数を同時使用率や使用形態を加味した「定常流量法」を用い、瞬時負荷の大きい便器で計算すると以下の台数になります。
– 任意利用形態(事務所・ビル・集合住宅):女子便器5台、男子大便器13台
– 集中利用形態(学校・劇場など):女子便器2台、男子大便器7台
同一種類の器具でも、設置場所や使用形態によって台数が異なるため、衛生器具数は5台までと制限しています。
(注2):下層階の正圧リスク
排水横主管の水平曲りが排水立て管底部から3m以内にある場合や、排水横主管の管サイズが不十分な場合、下層階に異常正圧が発生することがあります。
(注3):設置高さ
ドルゴ通気弁は、各階の最高位器具のあふれ縁より150mm以上高い位置に取り付けてください(低位タイプを除く)。

2.使用できないシステム

1.ドルゴ通気弁は伸頂通気管ごとに設置してください。複数の伸頂通気管を頂部で接続する通気ヘッダー方式での使用は避けてください(図2)。

2.汚水槽など槽類の通気管は、逃し通気管が原則です。正圧緩和の機能がないドルゴ通気弁では、十分な効果がありません(図3)。

3.通気弁内蔵のゴムシール(EPDM)はガソリンなど揮発性油や溶剤によって製品寿命が著しく短くなるため、一般的な汚水・雑排水系統以外では使用しないでください。

<ドルゴ通気弁のサイズ決定>

ドルゴ通気弁のサイズは、原則として“SHASE-S 206-2019”に規定された“定常流量法”を用いて排水管の管径を選定した上で、サイズを決定してください。

1.排水立て管に設置する場合:排水立て管の管径と同サイズ
2.排水横枝管に設置する場合:排水横枝管の管径の1/2以上のサイズ

 

<法規制と認定履歴>

ドルゴ通気弁は、建築基準法第38条の制度の設定商品として販売が開始されました。1990年に建築基準法第38条に基づき、建設省東住指発第490号の認定を取得。これにより、ドルゴ通気弁は外気開放通気方式の開口部と同等の通気性能を有するとして旧建設大臣より認定されました。現在は、建築基準法改正後、多くのメーカーが自己責任で通気弁を販売しています。

コラム一覧へ戻る

menu